介護老人福祉施設 待機者300人の実態

介護老人福祉施設とは、特別養護老人ホームのことを指します。 要介護の重い人が主に入所しており、平均介護度は3~4であると言われています。 特養は生活の場であり、亡くなるまでの終の場となります。

全国各地に特養はありますが、その多くは待機者を多く抱えています。 つまり、入居を申し込んでもすぐには入れず、順番が来るのを待つ状態です。 では、なぜ待機者が多いのでしょうか。

第一に、高齢化や医療の発達により、介護度の重い人でも長期間生きることができるようになったためです。そのため、利用者の受け皿として特養が役割を果たしています。 ただ、特養そのものの数は昔からあまり増えていないため、需要に供給が追い付いていない状態です。 特養のベットの空きが出るのは利用者が転居した場合か亡くなった場合ですが、医療の 発達もありなかなかベットが空かなくなったのも一因と言えます。 特養になかなか入れないため、最近はとりあえず老健やディサービス、ショートスティを利用しながら特養に入所できるのを待つ人が増えていますが、大きな問題となっています。

第二に、家庭での介護力の低下があります。 昔は、家族が多く、女性が介護の担い手でした。しかし、最近は女性の社会進出や独身の男女が増加していることもあり、家庭で介護をするのがとても難しくなってきています。 そのため、施設に入所を希望する人が増えており、待機者の増加を招いていると考えられます。

第三に、経済状況です。有料老人ホームのような介護保険外の施設は、お金がとてもかかるため経済的に苦しい人はなかなか入れません。一方、特養や老健は保険が適用されるため、安い料金で入所することができます。不況の影響もあり、介護にかけるお金に余裕のない人が増えています。

このように、様々な影響で特養への入所希望は増えています、施設の数を増やそうと思っても、税金を使うためなかなか増やせません。そのため、国は在宅介護に力を入れています。