老人ホームから考える介護の問題点

老人ホームからはどのような介護の問題点が見えてくるのでしょうか。 介護業界の問題点だけでなく、施設に入所する人にとっても問題となってきます。

まず、施設内における虐待の問題です。

施設職員から利用者への虐待は、年々増えてきています。拘束してはいけないことに なっていますが、身体的虐待や言葉による虐待は多いのが現状です。 問題が統計として浮上してくるのは一部と言われています。施設内で行われている虐待は なかなか見つかりにくく、他の職員や利用者の家族が発見して問題となった場合が ほとんどです。

介護現場では人材不足である上、認知症や高度な医療ケアが必要な利用者が増えつつあり、 一人一人への負担は増えています。また、夜勤も一人か二人体制の場合がほとんどで、 仕事は大変です。 施設数が増えていることもあり、今後も虐待は増えてくると予想されます。

次に、施設の安全面についてです。

最近では、グループホームで火事が起き、死者も出る事故が起きています。冬では 暖房器具を使う事もあり、火事になりやすいです。それにもかかわらず、消火に必要な 道具や対策をしていない施設があります。 例えば、火事が起きたときに使われるスプリンクラーは敷地面積に合わせて必要になって いますが、必要な数が備わっていなかったり、器械が故障していることもあります。 避難訓練も実施してなく、いざという時の避難方法についてもマニュアルがない施設も あります。このように、施設の中では安全面に不備があるところもあり、問題となっています。

最後に、他の施設との連携についてです。

終の住処と言われる特養でも、高度な医療ケアが必要になってくると病院に移らなければ いけなくなります。最近は看取りを行っている特養もありますが、まだまだ少ないのが 現状です。特養だけでなく、他の施設でも介護度が重くなったり経済状況によっては 入所し続けることが困難になり、退所を勧められる場合があります。

利用者本人が拒否しても、施設や家族の意向で決まってしまうことが問題となっています。 病院や他の施設との連携をどのようにするのか、今後の問題と言えます。