先進国の高齢者福祉 介護施設のあり方

福祉先進国での高齢者福祉はどのようなあり方をしているのでしょうか。

福祉が手厚い国として、北欧が有名です。税金が高い代わりに手厚い社会保障を実現しており、高負担高福祉と呼ばれています。

日本とはどのような違いがあるのでしょうか。

まず、北欧では寝たきり老人という概念はありません。できる限り積極的な生活をさせ、 自立性を維持させることを目標としているため、「寝たきり」という概念はありません。 介護施設でも、なるべくベットに一日中寝たきりにならないような取組をしています。

また、施設介護ではなく、なるべく在宅介護をできるように推進しています。 例えばスェーデンの高齢者福祉の理念でも、介護度が重くなっても在宅介護を推進すべき という理念をうたっています。

そのため、在宅介護に関する取り組みは多く行われています。例えば、高齢者が暮らしやすいような特別な住居を作ったり、24時間体制で訪問介護のサービスを受けられるような仕組みができています。

北欧の家族構成の特徴として、子どもは成人すると親元を離れることが基本であるため、 高齢の親が夫婦で暮らしていることが当たり前ということがあります。そのため、子どもが親と一緒に暮らして介護することは少ないです。 そのため、高齢になっても家で元気に暮らしたいという人が多くいます。施設にはなるべく入らず、できることはするという姿勢の人が多いのです。

施設に関しても、なるべく介護度が上がらないように、高齢者のADLを保つような取組が多く行われています。例えば、高齢者の集まり場であるアクティビティセンターでは多くのボランティアの力を借りて、様々な余暇活動を行っています。高齢者が自発的に企画や 運営を行っているのが特徴です。

福祉先進国でも問題はあります。例えば、ひとり暮らしの高齢者が多いため、急変が起きても対応に遅れることもあります。

それでも、総合的には国民の満足度は高く、日本も見習うべきことは多いです。